第1章 中学時代
「休憩だ!」
『はいっ!!』
虹村の声で、休憩を始めるバスケ部の皆。
1年生の冬。
私と桃井は、マネージャーの仕事をしていた。桃井はいつものように、青峰のそばにいる。
「いいな~。なんか、菜月ってさ、みんなに愛されてるよね~!」
「…?どういうこと?桃井も愛されてるよ?」
「そうじゃなくて!」
桃井が言うには、私はキセキの世代に愛されているらしい。
「あっ…みんなにスポドリ渡してくるね。ていうか、そんなことないと思うよ?桃井も愛されてるよ!」
「愛されてない~!なんか違うのー!!」
頬を膨らませ、私を見つめる。
その姿を見て、私は声をあげて笑った。前をよく見ていなくて、誰かにぶつかった。
「っ…!す、すみません…。」
「ん~?あれ…なつちんじゃん。だいじょ~ぶ?」
「!…あっくん。ご、ゴメンね…?私は大丈夫。」
「そっかぁ、良かった。」
「はい、タオルとスポドリ。」
「ありがと~。まいう棒は?」
「もう、しょうがないなぁ……はい!」
ポケットから、まいう棒を出す。
紫原の顔がパアーッ!と明るくなる。
「ありがと~!」
「うん、じゃあ、また頑張ってね?練習。」
そう言い、みんなにドリンクを渡しに行く。