第19章 偵察
「…」
私はシュートを打った。
「…あれ…。」
ゴールリングにすら届かなかった。そのまま綺麗に落ちていくボール。
「はははっ!へったくそ!」
ボールがとばないのだ。
「うるさいなぁ…!今度こそできるから!」
「おうおうやってみろよ。」
「っ…!あ…。」
また挑戦してみるも、とばないボール。
「…」
いざやってみると、全然できない。
「…なんか、やっぱり真君って凄いんだね…。」
「あ?」
*
「クシュッ!」
「あれ?真ちゃん風邪?」
「うるさい黙れ。」
「え、なんで!?」
*
「だって、あんなに遠くにボールがとぶなんて…。」
「…」
「あ、だとしたら涼太も凄い!人のプレイを真似して、いろんなところから打てるから…!」
*
「ヘックシュッ!」
「ん、なんだ黄瀬、風邪か?」
「いやぁ、きっと、誰かが俺の噂してるんスよ。可愛い女の子とか。」
「そんなこと考えてる暇あんなら練習しろ!しばくぞ!」
「えぇっ…!?笠松先輩…!」
*
「大我君も凄い…。ダンク打てるし、高く跳べるし。」
*
「っあ…ヘックシュッ!!」
「ん、大丈夫ですか?火神君。」
「あ~、おう。」
*
「それから…」
「もういい。」
「え?」
「…なんかうぜぇわ、それ。」
「…」(す、凄いところを言ってるだけなんだけど…。)
青峰の機嫌が悪くなっていくのがわかった。