第19章 偵察
「…」
すると、ノートに影が映り、暗くなった。
「!…」
驚いて後ろを見ると…。
「へぇ…よく書けてんじゃねぇか。」
青峰が立っていた。
「!…青峰君!?」
「お~、よう来たなぁ。さすが菜月効果。」
「やっと来たか青峰テメェ!」
でも練習には参加せず、ずっと私の隣に座っていた。見ているだけだった。私は立って、ノートに記録していた。
「なんでお前ここにいんだよ。」
「え…っと…見学…みたいな?」
「ふーん。」
「…」(自分から聞いたのに興味なさそう…。)
すると、今吉が適当にシュートを打った。それがまぐれで入った。しかも3P。
「!…凄い…!」
「…」
「っあ!すいません!」
桜井も3Pを打ち、決まった。
「っらぁ!」
若松もダンクを決め、諏佐もレイアップを決めた。
「桐皇の皆って…やっぱり凄い…。」
「…チッ!」
すると、青峰が立ち上がり、強引にコートに入った。
「良、ボールよこせ。」
「え、あ、はい。すいません…。」
「…?」
『…』
皆の視線が青峰に釘づけになる。
そして、ボールを受け取ると、青峰がドリブルをしてダンクを決めた。
「っらあ!」
「!…」
『!…』
いきなりで驚いた。
「お~、やる気になったんか?青峰。」
「違ぇよ。」
すると、私の隣に戻ってきた。
「…どう…したの?いきなり。」
「別に…。」
「…?」
その後も、偵察をさせてもらった。
「…!」
しばらく眺めていると、ポケットの中に入っているスマホが振動していることに気づいた。私は体育館を出た。