第19章 偵察
結局、私の携帯でかけてみることにした。
プルル…
「おう、菜月か?なんだ?珍しいじゃねぇか。」
「ちょっ…!なんで出るのよ青峰君!!」
聞こえたのか、さつきが携帯を取り喋った。
「うわっ!さつき…!んだよ、菜月じゃねぇのかよ。」
「あ…いや…私の…携帯なんだけど…。」
「おう。なんだよ。」
「あ…えっと…さつきが…部活に来て。って…。」
「あ?行かねーよ。あれ、つか…なんでお前、さつきと一緒にいんだよ。」
青峰は寝ていたのかあくびをもらした。
「ワシもおるで?」
「げっ…今吉…サン…。」
「おうなんや、ワシがおったらアカンのか?」
「…なんでアンタが菜月と一緒にいんだよ。」
「今、菜月体育館におるから、練習ちゃんときーや?ほな。」
今吉は電話を切った。
「ちゃんと来ますかね?」
「どーやろなぁ?でも、菜月の効果は絶大やからなぁ?」
「…」(呼び捨て…。)
最近、呼び捨てで呼ばれることが多くなった…気がする…。
「じゃあ練習再開しよか。」
今吉の声で部活が再開した。
「…」(やっぱり、ディフェンスオフェンスとか、絶対1対1なんだなぁ…。チームのミスは最低限しかカバーしない…。)
私はノートにメモを取った。さつきはマネージャーの仕事をしていて、私の隣にはいなかった。私は体育館の出入り口の横にいた。