第18章 インターハイ
廊下を歩いている時だった。
「もう出してあげても大丈夫じゃない?」
「そうですね。」
監督がそう言うと、黒子は2号の入っているカバンをおろした。
「あらら…ていうか…この新味はいいぞぉ~。」
「!…」
「!?…」
横を通った人に気づき、黒子も私も目を見開いた。
「…っ…。」(あの後ろ姿…。)
「おい何してんだ。置いてくぞ。」
「どうした?」
「いえ、ちょっと挨拶し損ねただけです。」
帰るとき、黒子は皆と別の方向へ進んでいった。
「…どこ行くの?」
「ちょっと、バスケットコートに…一緒に来ませんか?」
「…うん。行く。」
私は2号を膝に乗せたまま、近くのベンチに腰をかけ、黒子のバスケを見つめていた。
「…」(相変わらず…パス以外はダメなんだな…。)
いけないことだとわかっていても、そう思ってしまった。
「相変わらず、パス以外はからっきしだな。」
「!…」
火神がいた。
「どうしてここだとわかったんです?」
「あんな試合見せられて、頭に血が上ったんじゃねぇかと思ってよぉ。」
「つい熱くなりました。」
「お前で熱くなるなら、俺は沸騰しそうだぜ。」
すると、黒子はとんでいったボールを拾いながら話した。
「彼らのプレイには、人をそうさせる力があるんです。昔から…。」
「なぁ。」
「!…」
「キセキの世代の残りの連中って、どんな奴らなんだ?」