第18章 インターハイ
ビーーッ!!
その瞬間、ブザーが鳴った。試合終了の合図だった。
「試合終了!」
98対110。桐皇学園の勝ちだった。
『わあああっ!!』
『!…』
誠凛のメンバーが全員驚いていた。
「両チーム、整列!」
黄瀬は立とうとするも、立てなかった。完全に負担が足にきていた。
「っ…ぐ!」
黄瀬は床を叩いた。すると、笠松が手を差しのべた。
「立てるか?もう少しだけ頑張れ。」
「先輩…っ…俺っ…。」
笠松は黄瀬を抱き上げた。そして肩を貸し、歩いた。歩いている最中、頭を撫でていた。
「…」(黄瀬君…。)
整列をしたあと、審判が言った。
「98対110で、桐皇学園高校の勝ち!礼!」
『ありがとうございましたぁ!!』
試合が終わったあと、選手が退場したあとも、皆、それぞれ黙ってコートを見つめていた。
すると、1番最初に口を開いたのは監督だった。
「いつまでも放けてらんないわ!帰って早く練習するわよ!」
監督は立ち上がりそう言った。
「え!?帰んの!?この大会、他のキセキの世代も出てるんじゃ…。」
「そりゃ出来れば最後まで見たいわよ。」
「いや…だから…ホテルとか見っけて…。」
すると日向が立ち上がり言った。
「ホテルか!おい火神…!」
日向は火神の口を引っ張った。
「どこにそんな金あんだ!?ボンボンか?お前ちょっと実はボンボンか!?1人暮らしのくせして!いったいいったい、そんな何泊も増やしたら監督の親父さんにぶっ殺されんだよ!」
そして、火神を離すと、日向がまた言った。
「冬なんてあっという間だ!帰って練習あるのみ!」
『お…おう!!』
「ワンッ!」
「2号…シーッ。」
「ワンッ!」