第18章 インターハイ
黒子が手に持っていたバスケットボールを見つめ、火神に話した。
「僕が知っているのは、あくまでも中学時代の彼らでしかありません。黄瀬君や、緑間君や、青峰君が格段の進化を遂げたように、残りの2人も成長しているはずです。紫原君も、赤司君も…。」
「…紫原…赤司…。」
「今現在の彼らがどうなっているのか、僕にも想像がつきません。」
黒子がそう言うと、火神は走り出した。そして黒子にパスを出すよう、手で指示をした。黒子がパスを出すと、火神はそのボールを持ち、ダンクを決めた。
「…フッ!!」
「…」
私も、微笑んでしまった。
「…凄いね、2号。君のご主人様は。」
「クゥーン?」
「…」
2号を撫でながら、2人を見つめた。
「1人残らずぶっ倒す。見せてやろうぜ、俺達の…いや、俺とお前のバスケをよ。」
「はいっ!」
「冬は戦争だ!」
それから…何日か経ったある日…。
「…すみません監督。」
「ん?どうしたの?」
「今日1日…あ…2日…部活、お休みさせていただいてもいいですか?」
「え?あ…うん…いいけど…。」
「すみません、ありがとうございます。」
私は用事がある。とだけ言った。目的は、簡単に言えば偵察。他のキセキの世代がいる学校を見に行きたかった。普段の練習の様子など、その他いろいろ。
「菜月さん。」
「ん、テツ君。どうしたの?」
「監督から聞きました。どこ行くんですか?2日も休むなんて。」
帰ろうとしたとき、バスケットボールを持っていた黒子に呼び止められた。