第3章 少しずつ変わりゆく
「…着いた。」
「ここか、お前の家。」
「そう。」
「じゃあな。」
「また明日、菜月さん。」
「今日はありがとう…じゃあね。」
私は玄関のドアを開け、家に帰る。
「はぁ~…。」
「おかえり~。遅かったわね、心配してたのよ?」
「あ、うん。部活の居残り練習してて…。大輝達に送ってもらった。」
「そう、なら安心した。」
微笑む母さん。
あの……みんなの笑顔がいつまでも続けばいい……なんて思っていた私は……贅沢すぎたのかな……?
あの笑顔が見れたのは……あの…真実の笑顔が見れたのは……今日が最後だったなんてね……。
戻ってほしい。