第18章 インターハイ
ピーーッ!!
「ディフェンス黒5番!バスケットカウント、1スロー!」
『わあああっ!!』
「今の、決まったのか?」
「ファウルされながらシュートが入ったときは、得点が認められて、フリースローが1本与えられるんだ。それよりも…。」
「!…青峰君…ファウル…4つ目…。」
「もう思い切ったプレイはできないぞ…!」
ビリビリと体が痺れるような感覚に襲われた。
「っ…!」(カッコイイっ…!!)
ただそれしか出てこなかった。
そして、フリースローが綺麗に決まった。
ピーッ!!
第3クォーター、残り3分40秒。51対60。
『わああああっ!!』
「1スローも決めた!」
「これで差は1桁だ!」
そして、今吉が青峰にパスを出した。でも、ボーッとしていたのか、青峰の反応が遅れ、1度掴んだボールを取り落としてしまった。それを逃さず、黄瀬がボールを奪う。
「海常のカウンターだ!」
「!…」
「!…」(青峰君がファンブル…!)
桜井が黄瀬の前に立つも、素早い動きでかわされてしまった。
「!…」(動きだけならまだしも…速さまで…青峰君と変わらないなんて…。)
黄瀬がダンクを決めようとした時だった。青峰がそれを弾き返した。
『!…』
観客席の方に飛んでいったボール。
ピピッ!
「4ファウルぐれぇで腰が引けてると思われてたなんて、なめられたもんだぜ。けどまぁ、特に気に食わねぇのはテメェだ、黄瀬。いっちょまえに気ぃ使ってんじゃねぇよ。そんな暇あったら、死に物狂いでかかってきやがれ!」
『!…』
「っ…。」
「いいッスね、さすが。あれで終わりじゃ、拍子抜けもいいとこッス。」
エース2人が睨み合った。
「…」(あぁ…そうだ…4ファウルぐらいで…腰が引けるような人じゃない…。)
私は、「青峰大輝」という男を、再確認した。