第18章 インターハイ

笠松が今吉を抜けなかった。


「抜けない！」

「完全によまれてる…！」


すると、笠松がシュートを打った。でも確実に入らなかった。


「！…」（リバン！）

「うおおおっ！！」


早川が2人相手にボールを取ることができた。

そして小堀に渡し、シュートが入った。


「うおっしゃあ！」

「おぉっ！決まったぁ！」

「12点差だ！」

「！…」


試合は進んでいった。今吉がボールをつき、背中で隠しながら桜井にパスを出した。

これで3Pを決められたらまた15点差。


「うおおっ！」


森山がなんとか止めた。


「！…」

「よし！」


笠松がそのボールを取った。


「おぉっ！止めたぁ！」

「点差はそのままだ。」


黄瀬は何か言われたのか、微笑んだ。そして少しの間だけ、私達の方を見つめた。


「！…」


すぐに試合に戻ったけど、何か伝えようとしていた。

そして、黄瀬と青峰の1on1が始まった。


「！…」


青峰も何かに気づいたのか、目を見開いた。


『！…』


何より驚いたのが…黄瀬の雰囲気がガラリと変わったこと。いつもとは違う…何か…別の…。


「！…うそっ！」


その瞬間…本当に…一瞬だった。黄瀬が、青峰を、抜いた！


「ついに黄瀬が、エースの青峰を…抜いた！！」

「！…」（そ…っくり…にも程がある…。）


まるで、本当に青峰が2人いるみたいだった。

そしてレイアップシュートをしようとした黄瀬。


「調子にのってんじゃねぇぞ黄瀬ぇ！！」

「ダメぇ！！」


黄瀬が少しだけ体を丸めた。すると、青峰のお腹と黄瀬の背中が当たった。それだけならまだしも、黄瀬は背後からボールを投げ、そのボールがゴールに入ったのだ。