第18章 インターハイ
「なんつーか、ツッコミどころ満載ッスね。んで、黒子っちと菜月っちはなんでここに?」
「昨日まで近くで合宿だったので、みんなでインターハイを見に行こう。ということになったんです。」
「ちぇーっ…!応援しに来てくれたんじゃないんスね。」
「はい!」
「ひどっ!」
「…」
「…じゃあちなみに。」
「!…」
「青峰っちと俺、勝つとしたらどっちだと思うんスか?」
「……わかりません。」
「えぇ?」
「ただ勝負は諦めなければ何が起こるかわからないし、2人とも諦めることはないと思います。だから、どっちが勝ってもおかしくないと思います。」
「ふぅん…菜月っちはどう思うんスか?」
「…私も…わからない…。」
「…せいぜい頑張るッスわ。」
「ワンッ!」
黄瀬がそう言うと、黒子が目を見開いて黄瀬を見つめていた。
「あれ?なんスか?」
「いえてっきり、絶対勝つッス。とか言うと思ってました。」
「なんスかそれ。」
「…」
「フッ…そりゃもちろんそのつもりなんスけど、正直、自分でもわかんないッス。中学の時は、勝つ試合が当たり前だったけど、勝てるかどうかわからない今の方が、気持ちいいんス。」
黄瀬が振り向きそう言うと、風が吹いた。
「!…」
「あ、菜月っち、俺にハグさせてくれないッスか?」
「へ?」
いきなりだったから、間抜けな声が出てしまった。
「ははっ!可愛い。ね、どう?」
黄瀬が腕を広げた。