第18章 インターハイ
「え?」
「そんな…出来るのか?」
「そもそも黄瀬君のコピーというのは、出来ることをやっているだけで、出来ないことは出来ません。」
「は…はぁ?」
小金井はなんのことかさっぱりわかっていなかった。
「…つまり、簡単に言えば、のみ込みが異常に早いってこと。NBA選手のコピーとか、自分の能力以上の動きは再現できない。」
「だが逆に言えば、それでもやろうとしてる。ってことは…出来ると信じた。ってことだ。」
残り3秒の時点で、今吉がシュートを打った。放っただけなのに、入ってしまった。
ブザービーターだった。
ビーーッ!第2クォーター終了。
「ブザービーターだ!」
『わあああっ!!』
『!…』
皆、驚いていた。
「第2クォーター終了です。これより、10分のインターバルに入ります。」
アナウンスが流れた。34対43。点差は9点差。
「…菜月さん、一緒に行きませんか?2号に、外の空気を吸わせてあげようと思うのですが…。」
「…」
「菜月さん?」
「!…あ…うん…行く。」
私は黒子と歩いていた。黒子は2号を頭の上に乗せていた。
「あ…。」
「!…あ…。」
「ん?」
「!…黒子っち!?それに…菜月っち!?」
そこには、黄瀬がいた。
「ってか…なんスかその犬。」
「カバンに入れて観戦してたので、休憩の間に外の空気を吸わせてあげようと思って。」
黄瀬が2号を見つめた。