第17章 夏合宿と…
「10本だ。お前がオフェンス、俺がディフェンス。1本でも取れたらお前の勝ちだ。」
「あぁ!?どういうつもりか知んねぇけど、10本連続で防げるつもりかよ!止められるもんなら止めてみやがれ!」
「安心しろ。俺の負けはない。今日の占い、蟹座の俺は、獅子座のお前に対し、順位も相性も完全に上位だ。」
始まった1on1。火神ボールからスタート。
「心外なのだよ。まさか俺が、スリーしか取り柄がないとでも?」
「!…」
火神がダンクを打とうとしても、防がれてしまう。
「…」(空中戦では…大我君の方が上なのに……絶対に負ける…。)
「クソッ!もう1本だ!」
「やめだ。」
「なっ…!」
「このままでは何本やっても同じなのだよ。」
「っ…!テメェ!」
「いい加減気づけ。バカめ!どれだけ高く跳ぼうが、止めることなどたやすい。なぜなら、必ずダンクがくるとわかっているのだから。」
「!…」
緑間がこちらに向かって歩いてきた。
「行くぞ、高尾。」
「悪ぃ…バレてた?」
私を見つめると、今度は黒子を見た。
「ウィンターカップ予選で、がっかりさせるなよ?」
「…はい。」
その後、火神は砂浜を走っていた。さりげなく、その横を黒子が走っていた。
「火神君、ちょっと速いです…!」
「うあっ…!?なんでいきなり並走してんだよ…!」
「ちょっと火神君を励まそうかと。」
「見てたのかテメェ…!タチ悪っ…!余計なお世話だっつってんだよ、バカ。負けた理由なんざ、とっくにわかってる。」
「はぁ…はぁ…。」
「てか菜月、お前、走って大丈夫か?」
「はぁ…はぁ…うん…私も走って体力つけないと…。」
「…ま、無理すんなよ。」