第17章 夏合宿と…
「うおおおっ!」
火神がダンクしようとするも、届かず、顔から砂へ…。
「お前の辞書にはマジダンクしかないんかダホ!」
「っ…クソッ!」
「はぁ…はぁ…。」
「大丈夫?」
監督が木吉に声をかけた。
「あぁ、大丈夫だ。鈍った体叩き直すには、こんぐらいでちょうどいい。」
いつもよりみんなの水分の摂取量が多い。
「お疲れぇ!夕方からは体育館に移動よ!」
『はいっ…!』
それから……。
体育館で皆が練習を再開したとき。皆の動きがいつもより良くなっていた。
「!…」(人間が地面を蹴る時に1番重要な親指のつけ根に力が集約されるようになったから…?)
私はノートに書いた。
「!…」
火神はダンクではなく、普通にレイアップシュートを打った。
「今のはダンクいけよ普通に。」
「タイミング合わなかったのか?」
「…」(飛びすぎ…?)
この合宿で、学ぶことはいろいろありそうだった。
それから…次の日…。
「…おはよう…ございます…。」
「おう、すげぇ寝癖だな。」
私は火神の右側で歯を磨いた。まだ若干、眠たい。火神は私の髪の毛を触ったあと、口に水を含んで吐き出した。
その時だった…。同時に音が聞こえ、火神の左の方を見ると、同じく、凄い寝癖の黒子が歯を磨いていた。
「どぉっ!?って毎度わざとかテメェ…!あと寝癖…!」
「おはようございます。…菜月さん、探しました。」
「ゴメン。おはよう、テツ君。」
「はい、おはようございます。」