第17章 夏合宿と…
すると、日向が大きな声で叫んだ。
「全員!もっかい集合!!」
『…』
日向の前に皆が集まった。
「俺達は今、重大な危機に直面している。」
「…」
「今年は合宿を2回やるために、宿は格安の民宿にした。よって食事は自炊だ。が…問題はここからだ。」
日向が一段と真面目な顔をして言った。
「監督が、飯を作る!」
「…え?ダメ…なんですか?」
降旗が聞いた。
「当たり前だ!桐皇との試合の時!レモン蜂蜜漬けとか見たろ!?つまり…!」
「料理のいきは完全に超えている。」
『それ食いもんじゃないってこと!?』
「じゃあ、自分らが作ればいいんじゃ…。」
「そうしたいのはやまやまなんだが…。」
「練習メニューが殺人的すぎて、夜は誰もまともに動けん。」
「やべっ…思い出したら…うぐっ…!」
「!…コガ!」
『死ぬかもしんない…!』
「…それでは、菜月さんが作るっていうのはどうでしょうか?」
『!…菜月!!』
皆の救いの目がこちらに向けられた。日向ですらこちらを半泣きで見つめているのだから。
「…すみません、実はさっき…。」
*
「菜月ちゃん、ちょっといい?」
「はい。」
それは、水道で水を飲んでいる時だった。
「合宿の件なんだけど、料理は自炊なの。菜月ちゃんに任せようと思ったんだけど…いつも練習でマネージャーの仕事頑張ってくれてるし…任せちゃうのもなんか悪いから…私が作るわ!」
「あ、わかりました。ありがとうございます。」
*
『菜月~!!!』