第16章 実力
「…」
私はたまに、部活に遅れて参加した。でも、ちゃんと部活には参加していた。でも今日、初めて部活をサボった。
「…」
誰もいなくなった体育館に入り、ステージに座った。
「…」
「もう部活終わっちゃいましたよ。」
「!…テツ君。」
「…どうしたんですか?最近。最初から部活に参加したこと、あまりないじゃないですか。」
「……ゴメンね…。」
「いえ…。」
私は2号を膝の上に乗せ、頭を撫でた。
「…あの時、青峰君に言われました。」
「え?」
「同じってことは、成長してないってことだ。って…。」
「…」
ボールを持ったまま、私の方を見た黒子。
「お前のバスケでは、勝てない。と…。」
「!…」(そんなことを…。)
すると、黒子はシュートを打った。見事にゴールリングに跳ね返り、ボールは黒子の横を通り過ぎていった。
「ワンワンワンッ!!」
2号が私の膝から飛び降り、ボールの方へ走っていった。
「おっ…ははっ!ほら来い…!よーしよし。」
「!…」
声がした方を見た。
「なんかコイツ、君と似てない?聞いていた通り、パス以外はからっきしなんだな。」
そう言われ、黒子の表情が険しくなった。
「けど、いいんじゃね?俺は好きだよ。君のバスケ。」
そう言うと、彼は黒子にボールを投げた。
「間違っちゃいねぇ。ただまだ未熟。そんだけじゃん?」
「…?」
黒子の知り合いかと思ったけど違うらしい。