第16章 実力
『ディーフェンス!ディーフェンス!ディーフェンス!ディーフェンス!!』
「とにかく1本ずつ縮めるぞ。走れよ!最後まで!」
「フッ…当たり前だろ!」
青峰がボールをつきながら言った。
「1つだけ認めてやるわ。」
浮かせたボールを取ろうと、黒子が手を伸ばした。
「その諦めの悪さだけは。」
しかし、簡単に抜かれてダンクを打たれてしまう。
その後も試合は進んでいった。私は手に持っていたクリップボードとペンをベンチの上に置き、応援した。
そして…誰1人諦めず、全員が最後まで戦った。それでも、点差は開き続けた。涙は…出なかった。
その日、私達は、それほど圧倒的に、負けた。
結果は、112対55。