第15章 彼ら
すると、火神が言った。
「監督。さっきのください。」
「え?」
火神が、「さっきの」を貰うと、黒子を呼んだ。
「黒子。」
「ん…?んぐっ!?」
「いいから食って引っ込めよバカ!」
火神が黒子の口に、レモンをまるごと無理やり入れた。
「バスケは1人でやるもんじゃねぇって言ったのは、お前だろ!任せとけ。」
「…」
「!…」(大我君…。)
やり方は強引だったけど、黒子の頭は冷えたと思う。
監督も考えていた。
「よし!」
黒子がレモンを口から出した。
「後半、黒子君は1度下げるわ。第4クォーターに勝負よ。とはいえ、取り返しがつかなくなったら意味がない。いつでもでられる準備しててね。」
そう言われ、黒子は頷いた。
「レモンでも食べて。」
「え…。」
手に持っていたまるごとのレモンを見つめた。
「向こうはインサイドが特に強いわ。第3クォーターは、土田君入って、水戸部君と2人でゴール下お願い。」
すると、土田と水戸部はお互いを見つめ、頷いた。
「日向君と伊月君は、前半と同じ。9番のきのこと、4番のメガネをマーク。1番の問題は青峰君だけど…対抗できるのはもちろん1人しかいないわ。火神君、任せたわよ。」
「うっす!」
監督はニヤリと笑みを浮かべ……。
「いくぞ、誠凛!ファイ!」
『おー!!』
控え室から出て、移動をした。