第2章 黄瀬と灰崎
「ね~!菜月っち…。なんで俺だけ君付けなんスか…。」
「…それ…灰崎君にも言われた。」
「!?…うそっ!?ごっ、ゴメン!」
手を合わせて必死に謝ってくる黄瀬。
「そ、そんな謝らないで…。あ…なんだろう…親しくないから?」
「!…俺…信用ないッスか!?」
半泣きの黄瀬。
「そ、そういうことじゃなくて……。まだ、バスケ部の1軍に入ってから、どういう人か…知らないし…。」
苦笑いを浮かべる。
「俺も、青峰っちみたいに、呼び捨てとか、黒子っちみたいにテツ君、とかって呼ばれたいッス!!」
「……き、黄瀬……うーん…。」
「えぇっ!!あの時は、涼太ぁぁ!!って呼んでくれたのにぃ…。」
「!…あ…あれは…っ…なんか……その……怒りに任せて…みたいな…?」
「じゃあ涼太のままでいいんス!」
「…涼……太…?」
「Good!」
親指を立て、私に言った。
それから……。
「片付け!」
『はいっ!!』
今日は部活の時間が短い。自主練をする人が増えると思う。