第15章 彼ら
伊月が日向にボールを戻した。
「さっきと同じじゃ抜けねぇぞ。」
「大丈夫。彼は次、何をするかわからない。」
「!…」
桜井の後ろから黒子が現れた。
「スクリーン…。」
「たとえ女の勘でもね。」
監督が髪の毛を耳にかけた。
「おらぁ!」
そして、日向が火神にパスを出し、火神がダンクを決めた。
ピーッ!
第1クォーター残り2分15秒。21対15。桐皇がまだ勝っている。
歓声が起こった。
「よっしゃぁ、ナイス火神。」
日向が火神の肩を軽く叩いた。
「さすが良い仕事するぜ黒子。」
伊月と黒子がハイタッチをした。
そして、第1クォーターが終了した。25対21で負けてはいるものの、点差は4点。
「データっていうのは多いほど精度が上がるものよ。日向君達2年生は、1年分多く研究されてるわ。その点、2人はまだ情報が圧倒的に少ないし、黒子君は予測困難。火神君は発展途上。桃井の裏をかける可能性があるとしたら、あなた達よ。」
「よし、ひとまず頼むぜお前ら。」
ビーーッ!
「暴れろルーキー!」
第2クォーターが始まった。
伊月が黒子にパスを出し、黒子がそのボールを叩いて火神にパスを出した。
「ばかばかダンクすんなボケェ!」
「!…ブロック2人!?」
でも火神がそのボールを受け取り、ダンクを打った。
「!…凄い…でも…。」
やはり足の調子が良くないのか、着地した時に歯を食いしばっていた。