第15章 彼ら
走りながら火神が言った。
「お前の元カノ、よく見りゃぁ、普通に可愛いじゃん。」
「そうですか?」
「おい…!なんかうぜぇんだけどその言い方。」
「まぁそうですね。」
「は?」
「試合じゃなければ。」
「……てか俺は、菜月のがいい。」
「ダメです、彼女は僕のです。」
「は!?」
私はさつきの方をチラリと見た。
「…」(さつきは…中学時代もだいぶ皆を支えてきた…でも…それが敵となると…。)
「おぉっ!スティール!」
桜井のパスを伊月が防ぎ、火神にパスを出した。
火神が1人アリウープをしようとした。でも防がれてしまう。
「っ…。」
「研究されてるわね。おそらくあの子に。桃井の正体は情報収集のスペシャリスト。いわば、諜報部員ってわけね。」
水戸部にパスが出る。
「!…水戸部先輩!」
「いけー!」
「!…」
全てよまれていた。
「まずくないスか!?何か手をうたないと…!」
「必要ないわ。このままいくわよ。」
「え?」
「いくら正確な情報を持っていたとしても、それは過去のもの。人間は成長するのよ。そんな常識も知らないで、知ったかぶってんじゃないわよ!」
でも、日向が初めて見せるパターンでも、よまれてしまっていた。
「っ…。」(全てを集めて、分析などをして…攻略をしてくる…。さつきはやっぱり…凄い…。)
「1度戻せ日向!」
伊月に戻したボール。
「残り5秒でファールだ!」
「ニッ、甘いぞ小娘。」
監督が言った。