第15章 彼ら
「で、どうスか試合は。」
「どうもこうもない。話にならないのだよ。」
そう言い、サングラスを取り、メガネをかけ直した。
「青峰がいないようだが、それでもついていくのにやっとだ。」
「青峰っちいないんスか。まぁ、今あの2人が決めたじゃないスか。これからッスよ。」
「忘れたのか黄瀬。桐皇には桃井もいるのだよ。」
「!…」
「アイツは、ただのマネージャーではないだろう。中学時代、何度も助けられたのだよ。つまり逆に、的になるとこの上なく厄介だ。菜月と同様な。」
「…桃っちか…。そういやぁ、青峰っちと幼馴染だったッスね。って…あの子確か…黒子っちのこと好きじゃなかったッスか?はっ…むしろ本気なんて出せねぇんじゃ…。」
「そうだったのか?」
「はぁ!?気づいてなかったんスか!?バレバレっつーか!むしろ毎日アタックしまくりだったじゃないッスか!あれ見て気づかないとか、猿スか!」
「何ぃ!?猿とはなんだ!猿とは!」
そう言い、メガネをかけ直した。
「まぁいい。」
でもすぐに冷静さを取り戻した。
「だったらなおさらなのだよ。」
「…?」
「…黒子が試合で手を抜かれることを、望むはずがないのだよ。そもそも形は違えど、アイツのバスケに対する姿勢は、選手と遜色はない。試合でわざと負けるような、そんな玉ではないだろう。」
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