第15章 彼ら
ピーッ!
『わあああっ!!』
歓声が起こった。
「…」(前座、なんて言ってたけど、それは青峰君よりも…という意味だ。皆より強い可能性だって、充分にある。)
6分10秒。10対4。
監督が何かを考えこんでいた。
「うわっ、やっぱり…。」
降旗が言った。
「なんだよ降旗。」
「予選トーナメントの桐皇のスコア。」
紙を見ながらそう言った。
「108対91。151対72。131対82…!すげぇ、全部100点ゲーム…!」
「そ。つまり正邦とは真逆のチーム。超攻撃型よ。」
『!…』
「すいません!」
シュートが決まった、かと思いきや、外れてしまった。
「…」(あの人…。)
「あっ…!すいません!」
そして、諏佐がフォローして決まった。
今日はノートに書く事が多そうだった。
「…この人達…。」(オフェンスもディフェンスも、チームのミスのケアは最小限。全部1対1。つまり、全員がもの凄く強い…。こんなチームに…青峰君が入ったら…どうなっちゃうの…。)
不安でいっぱいだった。
お互い、同じ攻撃型チーム。
伊月はパスを受け取り、ボールを持った。
「面白いかどうかはともかく、同じってのはどうかな。ウチのスタイルは、あくまで全員一丸の攻撃なんで。」
伊月が今吉を抜くと、今度は火神が今吉のマークに入った。
すると、若松が伊月のシュートフォームに騙され、跳んだ。でも、伊月は水戸部にパスを出した。そして、水戸部は日向にパスを出した。
「1対1の勝負はともかく、ふっ…!」
日向が3Pシュートを決めた。
「試合にまで負ける気はねぇぞ?主将にもそう言っとけ謝りきのこ。」
「えぇっ…すいません…。」
今吉がボールをつきながら喋っていた。