第15章 彼ら
「!…」(青峰君が…そんなことを…。)
「ま、ワシとも仲良くしてーや?…ん。」
今吉が手を出してきた。
「あ…はい。こちらこそ、仲良くしてくださると…嬉しいです…。よろしくお願いします。」
その手をとり、握手を交わして微笑んだ。
「かわい~子やな、ホンマに。」
「おい、菜月、戻んぞ。」
「うん。それじゃあ、失礼します。」
私は皆の所に戻った。
そして、試合が始まった。
「…」(でも…青峰君がいるだけで、ここまで上がってこれる…かな…。もちろん、今吉さんや…他の人達だって…。)
ジャンプボールは取れたものの、今吉に取られてしまった。
でも、すぐに日向が追いつき、今吉のマークについた。でも、今吉は桜井にパスを出した。
「すいません!」
そう言い、シュートが綺麗に決まった。
「!…」(スリー…。しかも早い…。)
他の4人も、なめてかかったら噛み付かれる。
第1クォーター、残り6分15秒。8対4。桐皇学園が勝っている。
ゴールに入らなかったボールを若松が取り、今吉にパスを出した。
「しゃこらぁ!どっせい~!」
「すげぇパス!」
「毎度どんな掛け声やねん。」
すると、今吉がシュートを打とうとした。伊月が止めようと跳ぶも、普通にシュートを打ったわけではなかった。
「!…ダブルクラッチ…!」
伸ばしている伊月の腕の横からボールを打ち、ゴールリングに入った。