第15章 彼ら
それから……大会当日の日。
「はよ~、菜月。」
「お兄ちゃん、おはよう。」
「はい、今日大会の日でしょ?張り切っちゃった!」
「…私…出るわけじゃないんだよ、お母さん。」
「いいじゃない!」
「てか、おめでとさん。」
「…何が?」
「秀徳に勝ったの。」
「今更すぎ。」
隣に座って、朝食を食べている最中、言われた。
「てか、アイツやべぇな…緑間。めちゃめちゃ進化してんじゃん。」
「…うん。」
「今日、戦うとこ、青峰だろ?」
「…そう…。」
「桐皇学園だっけ?あそこ、過去の実績特にないのに、今年は強ぇらしいな。」
「うん。」
いつも以上にご飯を食べた。
「こら俊太、もっと食べなさい。」
「はいはい。…ま、頑張れよ。」
俊太は私の頭を撫でた。
「…うん、ありがとう。」
正直、怖い。青峰に勝てるかどうか、わからない。火神も万全な状態ではないし…。
*
そして…いよいよ大会が始まろうとしていた。
「そろそろ時間よ!全員、準備はいいわね!?インターハイに行けるのは4校中3校!小金井君も言ってたけど、一見、難しくなさそうに見えるわ。けど…。」
すると、水戸部と伊月が小金井の腕を持ち…。
「え…何…ちょっ…。」
「ていっ!」
「ぐあはっ!」
ハリセンで小金井の頬を叩いた監督。
「リーグ戦だから1回までは大丈夫とか、少しでも考えたらおしまいよ!」
「なんで俺が…!?」
小金井が頬をおさえてそう言った。
「大事なのは今!この試合、絶対勝つ!誠凛~!ファイ!」
『おー!!』