第15章 彼ら
「アイス!?」
「僕は、いつもみんなについていくのが精一杯で、青峰君の感覚はわかりません。けど、どんなに力が離れてても、僕が相手なら、絶対にしてほしくないです。」
青峰は「ハズレ」と書かれた棒を見たあと、黒子を見つめた。
「…」
「それに、青峰君より凄い人なんて、すぐ現れますよ。」
「こんのやろう…はははっ!そうだな。」
「そうです。」
そう言い、2人は拳を合わせた。
「…」
この時、私はまだ、壊れないと思っていたのだ。この関係が……青峰君が……。
そして、試合が行われた日。
「きたぁ!40点目!」
「やっぱすげぇ!」
黒子からのパスを受け取り、相手を抜いた時だった。
「!…」
「あ…れ…。」
相手選手の様子がおかしかった。誰1人、足を動かしていないのだ。
青峰はそのままゴールを決めた。
「…」
「!…」
ニヤリと青峰が笑みを浮かべた。
嫌な予感がした。
「テツ。」
「…」
黒子が拳を作り、青峰に向けた時だった。
「お前の言ったことは間違ってねぇと思う。けどやっぱ、ダメだわ。」
「え…?」
「どいつもこいつもヘボばっかで、俺の欲しいもんは…絶対見つかんねぇ…。」
黒子は握り拳を合わせてもらえないまま、青峰の背中を見つめた。
「俺に勝てんのは、俺だけだ。」
「…大…輝…?」
*
「その年の大会は、青峰君の力で圧勝しました。けどそれから他の4人も変わっていって、3年の全国大会での、ある出来事をきっかけに、僕は帝光バスケ部を辞めました。」
「ふ~ん。」
「っ…。」
正直、聞くのがしんどかった。黒子もそれをわかっていて、火神に話したのだと思う。