第15章 彼ら
「!…ねぇ、久しぶりに一緒にバスケしようよ。」
「はぁ!?お前、何言ってんだ…?俺に勝てるわけねぇだろ。」
「うん。でも、勝ち負け関係なく。」(手を抜いてくるだろうけど、少しのデータが取れれば、それでいい。)
「…はぁ…来いよ。手加減してやる。」
私はドリブルをした。
「あっ…。」
「あれ…。」
「あ…。」
「あっ…!」
10点先取。もちろん、すぐに終わってしまった。
10対2。その2点も、青峰が相当手を抜いてやっと取れた点数だった。
「強くなったね。」
「相変わらず、お前は弱ぇのな。」
「そんなわかりきったこと言わないでよ。」
「…」
「…」
沈黙が走った。
「もう行くね、この後も練習あるから。」
「おう。」
「…私は…今の青峰君が嫌いです。」
「!?…」
「…中学の頃の、灰崎君と同じ匂いがするから。」
「嫌い、ねぇ……好きな奴からそんなこと言われたら、きちぃわ…」
*
私はそう言い、体育館へ戻った。黒子ももう戻ってきていた。でも、火神だけがいなかった。
「みんな!決勝リーグ出場校、全部出たわよ!見ての通りだけど、Aブロックはウチ、Bブロックは桐皇学園、Cブロックは鳴成、Dブロックは泉真館。この4校で代表を争うことになるわ。」
「なんか、新鮮なリーグ表だな。」
「去年まで東京代表は、秀徳、正邦、泉真館の3代王者で決まりだったからなぁ。」
「…思ったんだけどさぁ、そん中の2つには俺ら勝ったわけじゃん?今年はもしかして、いけちゃうんでない!?」
「なっ…コイツ…!」
「言いやがった。」
「だって、桃井ちゃんと青峰がいる王者に負けても、他に勝てば…!」
「泉真館じゃないわ。」
「え?」