第15章 彼ら
青峰が不気味な笑みを浮かべた。
「…もともと…こんなだったよ。変わったのは…。」
私は青峰を見つめた。
「んだよ。」
「…なんでもない。」
私は青峰の横を通り過ぎ、火神に話しかけた。
「大我君、大丈夫?」
「…あぁ…。」
「…無理してバスケやったでしょ?足ガクガクだよ?」
「っ…うるせぇ。」
「監督に怒られるよ?」
「…」
火神は私を見つめた。
「…?」
「何怯えた顔してんだよ。」
「!…」
「お前こそ大丈夫かよ。」
「っ…。」
「帰んぞ。」
「う、うん。」
火神は歩き出した。
「菜月。」
「…何?」
「お前が、俺に勝つことはねぇよ、絶対にな。」
「…そうだね。でも、皆でなら勝てる。絶対に。」
「フッ…ははっ!夢見んのは勝手だが、現実見たときにお前、立ち直れんのかよ。…俺に勝てんのは、俺だけだ。」
「…」
私は火神と歩き出した。