第15章 彼ら
「…あれ…。」
さつきが、黒子と2人で話をさせてほしい。と言ってきた。だから私は火神を探しに行った。
「…まさか…バスケしてるとか…。」
そう思い、近くのコートに行った。
「あっ…やっぱり…大我君、何して……っ…!?」
火神は1人じゃなかった。誰か、違う人と一緒にいた。
「!…青峰…君…。」
「!…」
青峰は私を見るなり、ニヤリと笑みを浮かべた。
「よお、菜月。久しぶりだなぁ。会いたかったぜ?」
「!…」
鳥肌が立った。
「っ…はぁ…はぁ…。」
火神が息を切らしているのに気づき、私は火神のそばへ行こうとした。
「大我君。」
「おーっと…挨拶も返してくんねぇの?」
「っ…。」
腕を広げ、火神の前に立った青峰。
「久し…ぶりだね…青峰君…。」
「おう。…なんか、やっぱ気に食わねぇな、その言い方。昔の呼び方にしろよ。」
「っ…。」
私は俯いた。
今の彼は……中学の頃の灰崎君と同じ匂いがする。
「どいて…大我君が」
「菜月。お前、なんで俺とおんなじとこに来なかったんだ?」
「…それは…。」(どうしよう…目を見て…話すことができない…。)
怖かった。もの凄く…。
「…コイツの光は淡すぎる。テツには向いてねぇ。」
「だから?」
「あ?」
「…確かに、今の大我君じゃ、中学の頃の青峰君より、光は弱いかもしれない。でも…その光に負けないくらい、大我君は努力してるし、いつかきっと、中学の頃の青峰君より、強い光になる。」
「フッ…笑わせてくれんじゃねぇか、菜月。いつからお前は、そんなふうになっちまったんだ?」