第15章 彼ら
それから次の日…。
インターハイ決勝リーグに進出が決まった私達は、難関だった実力テストも乗り越え、練習を再開した……が…。
「ちっきしょう…ウズウズすんなぁ…。」
「足が治るまでは我慢して。」
火神は足の調子が悪く、練習に参加できていない。
「ナイスパス!」
「ワンッ!」
「!?…」
「ナイッシュー!」
「ワンッ!」
「おぉっ!2号お前バスケわかってんのか!」
「ワンッ!」
「いけるクチだなぁ、おい。」
「はっ…はっ…!」
体育館に入ってくると、火神が一目散に逃げ出した。
「あれ…?えぇっ…そんなにダメなの~?」
「っ…はい…。」
「火神君。」
「あ?」
「そんなこと言わずに…。」
「おんなじ目で見んな!」
「可愛いですよ。」
「やめろ、黒子テメェ…!」
犬を持ったまま追いかける黒子と、逃げる火神。
「あとでマジ殺す。」
『ぜってぇわざとだ…。』
それから…。
「ストレッチは、いつも以上に入念にね!まずはスクワット!」
ピッ!
監督が笛を吹いた。今は温室プールにいる。火神は入れず、私の隣にいる。私は水着は着たものの、パーカーと半ズボンを着用している。
「は~い!1分休憩!」
監督がそう言うと、皆息を切らして休憩を始めた。
「ぬはぁ…きっついなぁ…。プール練。」
チーン…。黒子は浮いていた。
「黒子寝んな!つか浮くな!」
ピッ!ピッ!
「うっ…!?」
2号もやってきた時だった。
「可愛いワンちゃんですね。」