第15章 彼ら
「…」
「…火神君の言うとおりです。」
「…?」
「今日試合をして思いました。つまらなかったら、あんなに上手くなりません。」
終わったのか、緑間が戻ってきた。
「火神、1つ忠告してやるのだよ。」
「ん?」
「東京にいる奇跡の世代は2人。俺と、青峰大輝という男だ。決勝リーグで当たるだろう。そして奴は、お前と同種のプレイヤーだ。」
「!…はぁ?よくわかんねぇけど、そいつも相当強ぇんだろうな。」
「強いです。ただあの人のバスケは、好きじゃないです。」
「…ま、せいぜい頑張るのだよ。」
そう言い、2000円を机の上に置くと、緑間はお店を出ようとした。
「緑間君。」
それを黒子が引き止めた。
「また、やりましょう。」
すると、緑間は振り向かずこう言った。
「当たり前だ、次は勝つ。」
黒子は微笑んだ。
「…菜月。」
「…何?」
「…人に好かれるのは、お前の良いところだ。だが、俺も負けんからな。」
「…?」
そう言い、お店を出て行った緑間。
「…み、緑間君って…皆に好かれたいのかな…?」
「そうじゃないと思います。」
「え…?」
「ありゃ、宣戦布告されたッスね、黒子っち。」
「…はい。」
それから……。
皆、それぞれ食べ終え、外に出た。
「ありがとございましたぁ!」
「よし、次は決勝リーグだ!」
『おう!』
「って…あれ?黒子どこ行った?」
「あの…。」
「どこに…」
「拾いました。」
「あ?」
「犬。」
そう言い、皆が黒子の手元を見ると、ダンボールに入った犬がいた。