第15章 彼ら
「次は負けねぇッスよ。」
「…」
「ぐっ…は!望むとこだよ。」
「…」(火神君…青のりいっぱい付いてる…。)
「黄瀬、前と少し変わったな。」
「そッスか?」
「目が…変なのだよ。」
「変!?」
「!…」(確かに……目が…違う…前の…黄瀬君じゃない…。)
「まぁ、黒子っち達とやってっから、前より練習するようになったッスかね。あと最近思うのが、海常のみんなとバスケするのが、ちょっと楽しいッス。」
黄瀬のその言葉を聞いて、私は自然と微笑んでいた。
「…どうも勘違いだったようだ。」
話しながらお好み焼きを割り箸で切った緑間。
「やはり変わってなどいない。戻っただけだ。3連覇する少し前にな。」
そう言い、お好み焼きを口に運んだ。
「…ククッ…。」
「けど、あの頃はまだ、みんなそうだったじゃないですか。」
「お前らがどう変わろうが勝手だ。だが俺は、楽しい楽しくないでバスケはしていないのだよ。」
「っ…。」(緑間君…。)
沈黙が走るかと思っていたその時、火神が口を開いた。
「お前ら、マジごちゃごちゃ考えすぎなんじゃねぇの?楽しいからやってるに決まってんだろ、バスケ。」
「なんだと?何も知らんくせに知ったようなことを言わないで」
グチャッ…!
「!…」
緑間の頭の上にお好み焼きが乗った。
「あ…っ…。」
どうやら犯人は高尾らしい。
「とりあえずその話は後だ。高尾、ちょっと来い。」
緑間が席を立ち、高尾のところへ行った。
「悪ぃ悪ぃ…!ちょっ…ごめ…ごめっ…!ゴメン…ぐあはぁっ!!」
店の外に連れて行かれた。