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彼女はキセキの特別 【黒子のバスケ】

第14章 ここからが本番


「…あのね…負けちゃうかと…思った。」

「…嫌味か?」

「!…違う違う…!そうじゃなくて……ホントに…残り3秒だったのに…判断できたのが…凄いな…って…。」

「…」


すると、ようやくこちらを向いてくれた。


「!…」

「…決勝リーグで、青峰と戦うことになるだろう。」

「…うん。」

「アイツは強い。一筋縄では、いかないのだよ。」

「…わかってるよ。」

「…お前がいたら、もしかしたら勝てたかもしれんな。」

「えっ…?わっ…!」


驚き、傘を離してしまった。


「み、緑間…君…?」


私は緑間に抱きしめられていた。


「やはりお前は、俺にとって、大事な存在なのだよ。」

「あ…あり…がと…。」


顔が熱くなる。緑間の表情がよく見えない。


「菜月…俺は…お前のことが…。」

「あっ!いたいた!真ちゃん!何やってんだよ、探し……あ…。」

「!…」

「…高尾…貴様…。」

「っあぁ…ご、ゴメン…邪魔した…な…お、俺ちょっと待ってるから!」

「もういい!」


緑間は私から離れた。


「え、もういいの?」

「うるさい黙れ。」

「はははっ!!ゴメンね、菜月ちゃん。」

「い、いえ…だ、大丈夫です…。」(緑間君…何言おうとしてたんだろ…。)

「あ、飯行かねぇ?」

「…」

「じゃ、じゃあ、私はこれで。」

「え~!菜月ちゃんも行こ~よ!ね?真ちゃん?」

「……勝手にしろ。」

「ったくもう、ツンデレなんだからぁ~!さ、早く行こ。風邪ひくわ。」
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