第14章 ここからが本番
「…じゃあ、切るぜ?」
「あぁ…。」
「ミドリ~ン!落ち込んでる時にゴメンね~?元気出してね~!」
「うるせぇよ。」
ピッ…。
*
「さぁ、帰ろうか!」
「いや、ゴメン…マジ待って……2試合やってんだぞ…しかも王者…。」
「あ、ゴメン。」
日向、伊月、水戸部、小金井がゾンビみたいな顔をしていた。
「俺らは少し休めば大丈夫だけど、火神がな…無茶したし…。」
「動くどころか、立てねぇッス…。」
「でも、いつまでもここにいるわけにもいかないし…。とりあえず、どっか1番近い店に入ろうか。」
「…テツ君、ちょっと行ってくる。」
「え…どこにですか?」
「ちょっとね…皆には先帰ってるように言っといて。」
「ちょっ…僕も行きます…。」
立ち上がろうとした時に裾を掴まれた。
「ううん、テツ君は火神君を見てあげて?」
「……わかり…ました…。」
シュンとしていた。
私は心の中で謝りながらも、控え室を抜けた。
「…!」
キョロキョロとある人を探していると、雨にうたれていた。
「緑間君!」
「!…」
「傘、差さないと風邪ひくよ?」
「…」
私はちょうど持ってきていた水色の折りたたみ傘を差していた。緑間もその中に入れた。
「…悔しいが、負けたのだよ。」
「うん。凄かった。鳥肌立っちゃったもん。」
「…」
いつまで経ってもこちらを向いてくれない。