第14章 ここからが本番
「っ…!」(負けたくない…!)
「僕は信じてました。火神君なら跳べると。」
「!…」
黒子は緑間の持っていたボールを叩いた。
「黒子…!?」
「そして、それを信じた緑間君が、もう1度ボールを下げると。」
そして、試合終了のブザーが鳴った。
『よっしゃあああっ!!!』
「試合終了!」
歓声が起こった。会場にいた誰もが驚いた。
「よっしゃあ!」
「やったあ!!」
私は監督と抱き合った。
「今度こそ、本当に、勝った~!勝った~!勝ったぁ~!!」
監督が涙目になっていた。
「82対81。誠凛!」
『ありがとうございましたぁ!!』
雨が降っていた。
*
ピリリリリ…ピリリリリ…。
鳴り止まない着信音。雨なのか、涙なのかわからないまま、彼は電話に出た。
「はい。」
「あー!ミドリンー!?ひっさしぶり!!どーだった?試合、勝った!?負けた!?ねぇどうだったの?教えて」
ピッ…。
言い終える前に電話を切った。
ピリリリリ…ピリリリリ…。
「…なんなのだ、いい加減に」
「おい、冷てぇな。」
「!…」
「さてはあれっしょ?負けちゃった?」
「青峰か。そうだ。お前もせいぜい、決勝リーグは気をつけるのだよ。」
「あい?何言ってんだよ。キモイって。俺を倒せる奴なんざぁ、俺しかいねぇよ。」
「…相変わらずだな、青峰。わかっているのか?つまり決勝リーグで黒子と戦うということなのだよ。」
「なんか勘違いしてるぜ?昔がどうでも関係ねぇだろ。今は敵だ。」