第14章 ここからが本番
「…」(スクリーン…。)
でも、日向は3Pラインから遠いところにいた。残り6秒。そして、伊月がパスを出し、日向にそのパスが渡ると…。
「っ…!」
日向がシュートを打った。
「っ…。」(入れ…!!)
そのシュートは、綺麗にゴールネットをくぐった。
残り3秒になったとき…。
ビーーッ!!
「うおおおっ!!」
「わああっ!!」
「信じらんねぇ!残りあと3秒で!誠凛が勝った!」
「!…違う…!」
鳥肌が立った。残り3秒。少ないと思えるが、彼にとって…そんなこと関係ない。
パスが来れば打つ。どんなところからでも…。
「ヤバい!」
私は目を見開いた。
高尾が緑間にパスを出した。
「!…」
雷が鳴った。
「緑間!?」
「なぜ俺が遠くから決めることにこだわるのか、教えてやろう。3点だからというだけなはずがないのだよ。バスケットにおいて、僅差の接戦の中、残り数秒の逆転劇は珍しくない。が、場合によっては苦し紛れのシュートで、それが起きる場合もある。そんなまぐれを俺は許さない。だから必ず、ブザービーターでとどめをさす。それが、人事を尽くすということだ!」
「なっ…!?」
「まずい!黒子君もみんなも不意をつかれた。火神君ももう跳べない!」
緑間がシュートフォームに入った。
「っ…!大我!!」
「うおおおおっ!!」
火神が跳んだ。
『!…』
でも、緑間は跳んでいなかった。
「なっ…!?」
「信じていたのだよ。たとえ限界でも、お前はそれを超えて跳ぶと。」
「しまっ…!」
今度は緑間が跳ぼうとした。