第13章 道のり
自分の中で考えていた方法があった。
1つは、緑間にボールを渡さないこと。けれど、この方法は厳しすぎる。後半、体力がなくなり、絶対動けなくなる。
2つ目は……そのシュート自体を止めてしまうこと。けれど、そこまで跳べる力がないと無理。
「とにかく、緑間君を止めるわよ。」
監督に言われ、コクンと頷いた黒子。
「…」
「なんて顔してんだ。言ったろ、信じろ。って。」
「!…火神君…。」
不安な表情が顔に出ていたんだと思う。ポンッ!と頭の上に手を置かれた。
「…どうやって…止めればいいのかわからない…。」
「んなの、やってみればいい。」
「な、何を…?」
「…とにかく、なんかだ…!」
「…そうだね…!」
私は笑ってしまった。
「おう。んじゃ、行ってくるわ。」
「うん。頑張れ!」
「おう!!」
そして、また再開した試合。高尾が緑間にパスを出した。そのあとだった。
黒子が緑間を止めようと、前に出た。けれど簡単に抜かれてしまった。けど、狙いはこれだった。黄瀬との練習試合での、ボールを後ろから取ろうとする技。
「おいおい、後ろからとか野暮なことしなさんなぃ。」
『!…』
高尾に止められてしまった。
「黒子君のバックチップを…!」
「よんでた…!」
そして火神が止めに入るけど、スピートで抜かれてしまった。
「!…」(シュートだけじゃない…。速さも…進化してる…。)
火神が黒子にパスを出し、また火神にボールを戻そうとするけど…高尾にカットされてしまう。