第13章 道のり
それも当然…決まってしまう。
第1クォーター、残り約1分で、11対16。
そして…。
「ここまで戻れば、黒子のパスで後ろを取るなど不可能なのだよ。」
『!…』
「だが、そもそも関係ないのだよ。俺のシュートは3点。お前達のカウンターは2点。何もしなかったとしても差は開いていく。」
すると、火神にパスが出て、緑間と向かい合う火神。
「面白れぇもん持ってんじゃん。だが…。」
「!…」
火神が3Pを打った。けれど、それはダンクのために使ったフェイクのようなものだった。
皆から褒められる火神。けれど、緑間がボールを持てば…。
「君らなりの良いシュートなのだよ。だが…。」
「嘘…だろ…。」
「!…」(そ…そこから…どれだけの距離があると思って…。)
皆が緑間に視線が集中する。
「そんな手前ではないと言ったはずなのだよ!俺のシュートレンジはコート全てだ。」
綺麗に決まった3Pシュート。
観客からの歓声が巻き起こったあと、第1クォーターが終了した。インターバルが2分入る。
「黒子君、菜月ちゃん…あれ、昔から?」
ベンチに皆が戻ったあと、監督が聞いてきた。
「いえ…僕の知っている彼の距離は、ハーフラインまでです。あんなところから打てるのは、初めて知りました。」
「NBA選手が、練習で決めた映像は見たことあるけど…試合中に狙ったとかありえないぞ。」
「冗談キツいぜ。キセキの世代。」
「てか、あんなんどうやって止めんの…。」
「…」(あれを止める方法は…2つ…。)