第13章 道のり
それから……。
日向が水戸部にパスを出し、水戸部がダンクを決める。
「ダンク…できたんかい…。」
第2クォーターで30対31。
「いけーっ!!」
監督も応援している。その横で深刻な顔をしている火神。
「何深刻な顔してんの!みんなそんなにヤワじゃないから、大丈夫よ!」
「…ウッス…。」
頬をグーパンでグリグリされている。
「おぉっ!すげぇ!」
日向がシュートを防いだ。
「止めた!」
すると、水戸部がフックシュートを打った。
「!…」
ノートに記入した。
すると、春日がレイアップ…ではなく、スクープショットを打った。
『いけいけ誠凛!おせおせ誠凛!』
でもすぐに取り返した。
「監督…何度もすみません…。」
「ん?どうしたの?」
「…伊月先輩って…もう1つ…眼…持ってますよね…?」
「!…よく気づいたわね…!」
『眼?』
黒子と火神が声をハモらせた。
すると、日向にパスを出し、正邦の選手同士がぶつかり、また日向が伊月にボールを戻した。そして伊月がレイアップシュートを打った。
「おぉっ!決まった!」
「すげぇよ誠凛!王者正邦に負けてねぇ!」
正邦の皆が内心、驚いていた。
「伊月君は見えるのよ。鷲の目を持ってるからね。」
「イーグル…アイ…?」
「彼は身体能力は恵まれてないけど、頭の中で視点を瞬時に変えられる。つまり、物をいろんな角度から見れるから、常にコート全体が見えてるのよ。」
「マジかよ…。」