第13章 道のり

そのあと、正邦がプレッシャーをかけてこなくなった。火神はいつもどおり、ダンクを打とうとした。でも…。


「！…」

「ダメだ！行くな火神！」


津川が尻もちをついた。


「オフェンスファウル！白10番！」

「4つ…。」

「うわっ！？4つ目だ！」

「誠凛のスコアラーがファウルトラブル！」

「まだ第2クォーターだぞ！？」

「…」（津川君…わざと……。）

「はーっ…。」

「まだ第2クォーターッスよ！？」

「バッカたれ…。」

「…」

「すみません、交代お願いします。」


監督が言った。


「！…げっ！？大丈夫ッスよ、こんぐらいっ！もうファウルしなきゃいいんだろ！？いけます！」


火神が声を荒げる。


「…」


何か話している皆。内容は聞こえないけど……。


「！…カッコイイ…。」


先輩達が、もの凄く…カッコイイと思った。


ピピーーッ！


「誠凛、メンバーチェンジです！」

「いやぁ、ひっさしぶりだわ出んの。」

「んじゃー、良いとこ見せちゃおうぜ、つっちー！」

「ヤバくなったら出ます。」

「4ファウルが何言ってんだ。まかしとけ。」


そう言い、小金井と火神とハイタッチを交わす。


「はい、タオル。」

「ありがとうございます。」

「…サンキュ…。」

「まだ気に入らないの？火神君。」

「…別に。」

「……4ファウル。」

「あぁ！？」

「っ…！怖いよ…。」

「コラ！菜月ちゃんにあたるな、ば火神。」

「なっ…！？先にちょっかいかけてきたのあっちだし！ですよ！」