第13章 道のり
そしてまた伊月にボールが渡った。
「いけぇ!」
「頑張れっ!」
ベンチにいる皆も応援している。
私も紙に書きつつ、記入できることはノートにも記入した。
第1クォーター、残り18秒で、誠凛16点、正邦19点。3点差。観客からの歓声が起こる。
津川の受け取ったパスを黒子が奪う。
「!…」
そしてそのボールを火神が取り、日向にパスを出した。日向がシュートを打ち、3Pが決まる。
「おぉっ!3!」
ビーーッ!!
「第1クォーター終了!」
第1クォーターが終わったあと、コートの真ん中に集まり、正邦の人達と集まって何かを言っていた。
津川がユニフォームの首根っこを掴まれていた。
第1クォーター終了。19対19。
「始まったばかりよ!」
監督がそう言った。試合に出ていた選手がベンチに座り、監督の話を聞いている。
「フォーメーションはこのままでいく。ただ、パス回しに釣られすぎてるから、ゾーンも少しタイトに。あと火神、ファウル多い。」
名前を呼ばれ、輝いた顔をしたけど、またガッカリした顔をした。
「相手に合わせようなんて腰が引けちゃう。流れ持ってかれる。攻める気持ちが大事よ!」
『おうっ!!』
ビーーッ!!
「第2クォーター始めます!」
「うおっ!?」
「1段と厳しくなりやがった…。」
「いよいよ東京最強のディフェンス全開か。」
津川をなかなか抜けない火神。でも、黒子との連携プレーが上手くいき、火神が2人を抜いてダンクを打った。
「なんだ今の!?」
「2人抜きだったぜ!?」
「…監督…。」
「どうしたの?菜月ちゃん。」
「…汗の量が…第2クォーターでかく汗の量じゃないです…。」
「…確かに…。」