第13章 道のり
正邦との試合。正邦のパス回しがとても速い。
そして、津川のレイアップを火神が止めようとして、またファウル。
「!…もう…3つ目…。」
私はそう呟いてしまった。
第1クォーターで、誠凛が6点。正邦が15点。9点差。
私がクリップボードの紙に記入をしていると、津川と黒子が何か話していた。
「すみません…。」
「君は…誰!?てか、出てたっけ試合!?」
案の定、津川は黒子に驚いた。
「黒子テツヤです。出てました。」
「嘘だマジ!?存在感なさすぎっしょ!」
『!?…』
日向と火神が驚いていた。
「俺と同じ1年…。ねえ!知ってる!?去年ウチの先輩達、君んとこに第1クォーターで20点差つけたらしいんだ!だから俺、30点差くらいつけたくてさぁ!ま、ガッカリしないでね!」
そう言って、黒子の肩を叩いて走っていってしまった。
「わかりました。」
「ん…?」
「ガッカリしないように頑張ります。」
それから……。
「マジずっとベッタリじゃん。」
「パス回すのもしんどいよ…。」
そして、伊月が誰もいないところにパスを出した。でも……。
黒子が見事にパスを繋いだ。正邦の皆が驚いている。水戸部がシュートを決めた。
「なんだ今のパス。ブーメランみたいに戻ってきた。」
「戻ってねぇよ。誰かがタップして向き変えたんだよ。」
「誰かって…誰?」
「…さぁ?」
春日が伊月を抜いてシュートを打った。でも、それを後ろから火神が防いだ。