第11章 お父さん
そして、火神がお父さんに近寄る。
「hey、2つ言っとくぜ。」
「…?」
「1つは、この試合中にぜってぇお前のシュートを叩き落とす。」
「くっ…そんなの…ないじゃん…できるわけ…。子供がいるチームなんかに負けない。」
「もう1つは…!」
そう言い、火神が走り出す。伊月がお父さんの目の前にパスを出す。
ニヤリと表情が変わるお父さん。でも、その表情はすぐに変わった。
黒子が床にボールをぶつけ、火神にパスを出した。
「ふぉーらぁ!!」
そのパスを見事キャッチして、ダンクを決める火神。
「!…あぁ…!」
「子供も結構ヤバイかもよ?」
「ていうか、子供で話進めるの、やめてください…!」
「!?…」
驚きを隠せないお父さん。目を見開き、今までに見たことのない表情を浮かべている。
私もニヤリと笑みを浮かべてしまった。
「カッコイイ…。」
ダンクを打って、ニカッ…と笑っている火神。キラキラしていて、カッコイイと思った。思わず、声に出してしまった。
「とにかく1本返すぞ!」
谷村が床についたボールをとり、そう言った。そして、パスを出すけど、黒子にカットされてしまう。
「なっ…!?」
そして、また火神がダンクを決めた。
「っらぁ!」
「マジかよ、スティールしたボールをそのままダンク?」
「てか、いきなりダンク2連発って、予選1回戦だぜ?おい。」
「すげぇなマジ、ていうか、黒子ってこんなんだっけ?子供扱いされたの、そんなに怒っちゃった?」
「そうッスね。」
走りながら話す日向と火神。