第10章 少しずつ…
「…ただ、黄瀬君が言ってたように、他の4人は格が違います。それがさらに進化してたら、想像もつかないです…。」
「秀徳に挑むためにもまずは初戦!気ぃ引き締めていくぞ!」
「そういえば、監督は?」
「あぁ、1回戦の相手の練習試合、偵察に行ってるよ。」
すると、体育館のドアが開いて、監督が帰ってきた。
「ただいま…。」
「おっ、噂をすれば。」
「海常の時はスキップしてたけど、今日はしてねぇな。」
「監督、今日はスキップとかしたりしないんスか?」
「するかっ!!」
機嫌の悪い監督。
すると、制服のスカートのポケットの中に入っていた携帯が振動した。
「…ん…。」
「電話か?」
「う、うん。すみません、ちょっと抜けます。」
「おーう!」
私は体育館のドアから外に出た。体育館裏へ行き、携帯を見る。
「電源切るの忘れてた…。!…お兄ちゃん…?…もしもし?」
「もしもし?悪い、今いい?」
「いいよ…何?」
「…お前、次のトーナメントの試合で、秀徳とあたらないか?」
「!…あたる…けど…。」
「…ちょっと…アドバイスなんだけど…。」
兄が私に言った。ノートにメモをとった。
「今の火神のジャンプ力、身体能力じゃ、全然アイツらには敵わねーよ。」
「!…」