第10章 少しずつ…
それから、次の日…。
バンッ!
「んぁ?」
「んぁ?じゃないわ。何堂々と寝とるんじゃ貴様。後で職員室に来い。」
「うえっ!?」
授業中、火神が居眠りをしていて、しかも、夢まで見ていたらしい。
先生の頭を掴み、やっと起床。
黒子も後ろで寝ているのに先生は気づいていない。
先輩達も眠そうにしていたらしい。
それから……。
「なんスか、用って。」
昼休み、集められた1年生。
「ちょっとパン買ってきて?」
「は…?」
「パン?」
「実は誠凛高校の売店で、毎月27日だけ、数量限定で特別なパンが売られるんだぁ!」
「はぁ…。」
「それを食べれば恋愛でも部活でも一生約束される、という噂の幻なパン。イベリコ豚カツサンドパン、三大珍味、キャビア、フォアグラ、トリュフ乗せ、税込2800円!」
「たっけぇ…。」
「逆にやりすぎて品がねぇ…。」
「海常にも勝ったし、練習も順調、ついでに幻のパンもゲットして、弾みをつけるぞ、ってわけだ。」
「けど、狙ってるのは私達だけじゃないわ。ふぅん…いつもよりちょっとだけ混むのよ。」
すると、苦笑いをする日向。
「フッ…。パン買ってくるだけだろ。チョロいじゃん…ですよ。」
「ほい。」
そう言い、茶封筒を渡す日向。
「ん?」
「金はもちろん、俺ら2年が出す。ついでに、皆の昼飯も買ってきて?ただし失敗したら…。」
「!…」(クラッチタイム…。)
ニコニコ笑顔で…日向は……。
「釣りはいらねぇよ?今後筋トレとフットワークが3倍になるだけだ。」
「ほら、早く行かないとなくなっちゃうぞ?」
「伊月先輩…。」
「大丈夫、去年俺らも買えたし、パン買うだけ…。」