第10章 少しずつ…
『!…』
私を含む3人が驚いた。
「お兄ちゃ…どうして…。」
「ん?何が?」
「火神君が…アメリカにいたってこと…。」
「お前のノートに書いてあった。」
「で、でも…そんな短時間で…。」
「ま、パラパラめくっただけだから、本当なのかは知らねぇけど、あってたみたいだな。そういう顔してるから、彼。」
「なっ!?」
火神が反応する。
「…勝負しやがれ…!です…!」
「…ククッ…別にかまわないよ?」
1on1が始まった。
「テツ君…。」
「…わかってます…。」
空中戦で攻める火神。相手にもなっていない。それどころか、兄は手を抜いている。
「…はい、10点先取終わり。」
「も、もう1回!」
「ダ~メ、今の君じゃ、俺には何年かかっても倒せないよ?」
「なっ…テメェ…。」
言い方が悪かったのか、火神が怒りだす。
「お、お兄ちゃん…。」
「ん~?」
それにかまわず、私を抱きしめる兄。
「ちょっ…!」
「もう今日は帰るか、どっか行きたいところあるか?」
「ないけど…っ…離して…!」
「やだ。」
「はぁ…。」
火神を必死に止める黒子。