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ダイヤの原石-6Carat-

第6章 5carat*僕のGOD


各々ご飯を食べ始めているが、さんごは席を立ってチャロの部屋に向かった。
手には先ほどのデザイン画を持っている。

コンコン

「チャロ君、さんごだけど…夕飯の時間だよ?」

さんごは耳をそばだてて室内の様子を探る。
しばらくそうしていたが何も聞こえない。
本当に中にいるのだろうか?
そう思い、さんごは少しずつドアを開けた。

「入るよ~…」

チャロはちゃんと室内にいた。
出窓に納まって空を眺めているようだ。
足元には百枚はありそうなくらいのデザイン画が落ちている。

さんごは絵を踏まないように慎重にチャロに近づき、その肩に触れた。

「チャロ君?」
「わっ!!!」

チャロは本当に気付いていなかったようで、心底驚いた声を出した。
体も大きく跳ねたので、さんごまでビックリしてしまった。

「あ、わ、ごめん。ノックしたんだけど返事が無かったから心配になって…」
「Oh…ごめんなサイ…。」
「今日、なんか変だよ?どうしたの?」

さんごは出窓に腰掛け、チャロの目線に合わせた。
チャロはそんなさんごを見てゆっくり話し始める。

「午前中、ジュエリーCMの打ち合わせがありマシタ。」
「あぁ、チャロ君CM決まったって言ってたやつだね。」
「そうデス。新しく始まるジュエリーショップなのデ、スタート記念に数量限定で僕のプロデュースしたジュエリーを販売することになったんデス。」
「なるほど…それでこんなにジュエリーの絵を描いてたんだ。」
「そうなんデス…。でもどれも決まらなくて…もっとナチュラルなジュエリーがいいんデス…。」

そう言うとチャロは再び空を見上げた。
すっかり夜になっている空には星が瞬き、静かに町を見下ろしている。

「僕はあの星みたいに、そこにあることが自然である輝きをもたらしたいんデス。
ジュエリーと聞くと着飾るためや、高級感を出すための道具と捉えることが多いと思うンデスけど…僕は飾らずに、私服のような感覚でジュエリーを身に付けている人の方が素敵に見えるのデス。
まるでジュエリーがその人の美しさを引き出しているようで…。」

窓にこつんと頭をもたせ、チャロはその星々を眺めている。
さんごは改めて手元にあるデザイン画を見た。
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