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ダイヤの原石-6Carat-

第6章 5carat*僕のGOD


「どのデザインも素敵に見えるんだけどな…でも、そうだな…確かに、チャロ君のいう“ナチュラルなジュエリー”ではないのかも。ほら、見て。」

さんごはデザイン画を一枚選んでチャロに見せた。
細めのリングが土台の部分で蔦のように絡み合い、その真ん中にダイヤモンドが収まっている。

「すごくシンプルかつ、洗練されたデザインで普段使いでも付けやすそうだとは思うけど、このダイヤモンドの大きさ、少し小さくして埋め込んだらどうかな?」
「リングに埋め込む…?」

近くに落ちていた鉛筆を拾い上げ、さんごはデザイン画の下に簡易的なリングの絵を描く。

「絵が下手だから上手く伝わらないかもしれないんだけど…チャロ君のデザイン画、どれも宝石のきらめきを前面に出そうとしすぎてそればかりが目立っちゃってる気がする。
さっきもチャロ君言ってたけど、宝石がその人の美しさを引き出してくれるなら…宝石はこのぐらい控えめでもいいんじゃないかな?」

サラサラっと描いた絵を見て、チャロは目を輝かせた。
顔を上げてさんごを見ると、ちょうど雲が切れて月明かりがさんごをほのかに照らした。
チャロにはそれが天使か女神のように見えた。

「これは…神様のお導きデス…!」
「え…?」
「さんご、一緒にデザインを考えてくだサイ!いいえ、アドバイスしてくれるだけでもいいデス!Oh…僕のGOD…!」

チャロはデザイン画ごとさんごの両手を強く握った。
さんごはその勢いに押されて「あ、はい…」と弱弱しく答えるだけだった。

その後、締め切り期限まで2人はよく打ち合わせをしていた。
チャロがデザインを描き、さんごがアドバイスをして新たなデザインを閃かせていく。
チャロはジュエリーショップに交渉してさんごもCMに起用してもらうように頼もうとしたが、さんごはそれを断った。
「僕はただ横から口挟んでるだけで本当に何もしてないから…いいの!いいの!」と断固拒否だった。

そして完成したCM。
初めてテレビに流れる瞬間は一緒に見ようと、6carat全員でリビングのテレビを見ていた。
ゴールデンタイムのバラエティ番組が終わり、いよいよCMが流れる。
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