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ダイヤの原石-6Carat-

第4章 3carat*秘密特訓


光黄の部屋にさんごとざくろ。
ざくろは床に座り、光黄とさんごはベッドに並んで座っている。

「あっはっは!それで僕たちが付き合ってると思ったの!?」

今までの事情を光黄に話すと、光黄はさんごと同じように大笑いした。

「だって怪しいじゃん!コソコソしてるし、わざわざ夜中に会いに行くし!」
「本当はさんご以外に知られたくなかったんだけどさ、僕、今度初めてドラマに出るんだ。」
「ド、ドラマ…?」

そういうと光黄は見覚えのある冊子をざくろに見せた。
昼間にさんごの部屋で盗み見たカタログのような冊子。
あれは台本だったのだ。

「学園ものなんだけど、光黄は女たらしの役なんだって。ドラマの撮影始まるまでみんなに内緒にしておきたかったらしくて…でも光黄って負けず嫌いでしょ?だから撮影で足引っ張らないために僕に練習相手を頼んできたわけ。」
「そういうこと。あ~あ、バレちゃうなんてな~。」

ざくろは拍子抜けして口をポカンと開けたまま、しばらく硬直していた。

「お~い?ざくろ~?」

魂の抜けたざくろの目の前で手をひらひらと振りながら光黄が顔を覗き込む。
するとざくろは、今度は急に笑い出した。

「っく…はははっ!」

光黄はさんごと顔を見合わせて、同時に首をかしげた。
ざくろは涙が出るほど笑い、やっとのことで言葉を繋げた。

「俺、このグループのリーダーだから、ちゃんとメンバー間の不和とか起きないように管理しないとって思ってさ、それでお前らのこと変な目線で見ちゃっててさ、おかしいよな!大事な仲間同士でそんな関係になるわけないよな!」

ざくろが安心して胸を撫で下ろすと、光黄は少し顎に手を当てて考える仕草をした。

「僕らはそんな気を起こしたりしないけど、でもそっちの線でも狙えるんじゃないかって僕は思ったよ?」
「え?」

光黄はざくろを見てにやっとすると、さんごに「このシーン、ざくろにやってやれよ」と悪い笑みを見せた。
さんごはキョトン顔で「わかった」と了承すると、ざくろの方に向き直る。
ざくろもキョトンとしてさんごのセリフを待つ。
さんごはふぅ、と息を吐いて、演技モードに入る。
やがてイメージするキャラクターに入り込み、上目遣いでざくろを見つめた。
不覚にも、ざくろはドキッとしてしまう。
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