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ダイヤの原石-6Carat-

第4章 3carat*秘密特訓


「あのね…本気になっても、いい…?」

しばらくの沈黙の後、動かない空気にさんごがあれ?と光黄を見た。
光黄は固まっているざくろを見てクスクス笑っている。

今の今まで忘れかけていたが、さんごは女。
光黄がセリフの練習相手に選んだのも、掛け合いの相手が女優さんだからだ。
いくら家の中では女モードで気楽に過ごしているとはいえ、外で仕事をしている時間の方が圧倒的に長い。
男装モードのさんごに慣れすぎていたが、今目の前にいる部屋着姿のさんごは間違いなく女の子なのである。

ざくろの脳内で先ほどのセリフが何度も巻き戻される。
そして潤んだ瞳で上目遣いをするさんご。

「いやいやいや!お、おお俺はそんなことでは惑わされないし!!!も、も、もう寝るから!練習頑張って!おやすみ!」

ドタバタと逃げるように光黄の部屋を去ったざくろは、よろけながらも自分の部屋に突入した。
そんな後姿を見て、光黄はしたり顔。
さんごはわけがわからず首を傾げる。

「さんご、これからはもっと練習頑張ろう。」
「え、うん…光黄が頑張るためだよね…?」

この後ドラマの撮影が終わるまでざくろの苦悩は続くのであった。
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